
経営者の皆様はボーナス支給のたび、頭を悩ませておられると思います。
大阪シティ信用金庫で毎季、ボーナスについてのアンケートを行ってレポートを発行しています。
ぜひ経営判断の参考にしてください。
大阪シティ信用金庫レポート-中小企業の2025 年冬季ボーナス支給予定
https://www.osaka-city-shinkin.co.jp/houjin/pdf/2025/2025-11-27.pdf
大阪シティ総合研究所-中小企業動向調査
https://www.osaka-city-shinkin.co.jp/houjin/report.html
支給企業割合は2年ぶりの増加!
■ 支給する企業は全体の67.7%となり、前年冬に比べて3.5ポイント増加しました 。
この割合は2年ぶりの増加ですが、リーマンショック前の2007年(71.4%)の水準にはまだ達していません 。
支給しない企業は32.3%で、その内訳は「(ア) ボーナスは支給できないが、その代わりに少額の手当を出す」が23.1%(前年冬比4.9ポイント減)、「(イ) 全く支給なし」が9.2%(同1.4ポイント増)でした。
業種別・規模別の傾向
| 区分 | 支給する企業割合(2025年冬) | 前年冬比増減(ポイント) |
| 製造業 | 74.2% | 10.5pt 増 |
| 卸売業 | 66.7% | 6.9pt 増 |
| サービス業 | 71.6% | 2.8pt 増 |
| 建設業 | 66.1% | ▲5.3pt 減 |
| 小売業 | 42.4% | ▲3.7pt 減 |
| 運輸・通信業 | 63.2% | ▲0.2pt 減 |
| 20人未満 | 63.2% | 2.7pt 増 |
| 50人以上 | 93.1% | 9.8pt 増 |
■ 製造業、卸売業、サービス業で支給企業割合が上昇した一方、建設業、小売業、運輸・通信業では低下し、業種間で対照的な動きがみられました。
■ 規模が大きくなるほど「支給する」企業割合は高く、50人以上では93.1%にのぼっています 。
平均支給予定額は5年ぶりに減少
■ 正社員1人当たりの平均支給予定額(加重平均)は30万5,615円となりました。
■ これは前年冬に比べて2,902円(0.9%)の減少であり、5年ぶりに減少に転じました。ただし、30万円台は維持しています。
業種別の平均支給予定額(2025年冬)
| 業種 | 平均支給予定額(2025年冬) | 前年冬比増減率 |
| 建設業 | 339,917円 | ▲0.6% |
| 製造業 | 306,846円 | 3.2% |
| サービス業 | 299,884円 | 0.4% |
| 運輸・通信業 | 295,420円 | ▲9.6% |
| 卸売業 | 286,979円 | ▲1.5% |
| 小売業 | 270,667円 | ▲13.1% |
■ 最も多かったのは建設業(33万9,917円)で、最も少ないのは小売業(27万667円)でした。
■ 前年冬比では製造業とサービス業を除き、減額となっており、特に小売業は13.1%と減少幅が大きくなっています。
支給額増減の要因
■ 支給額を増やす企業の増加要因(複数回答)としては、「(ア) 従業員の士気高揚」(79.8%)が「(イ) 業績好調」(53.5%)を上回り最も多くなりました。
■ 支給額を減らす企業の減少要因(複数回答)では、「(オ) 業績低迷」が100.0%と圧倒的に多くなっています。
「無理をして支給」が過去最高水準に
■ ボーナスを支給する企業のうち、「②多少無理をして支給する」と答えた企業は29.9%となり、前年冬から5.6ポイント増加しました。
■ この割合は、これまでの調査で最も高い水準となっています 。
■ 特に製造業では「多少無理をして支給する」企業割合が39.7%と、4割近くに達し、最も高くなっています。
■ この状況から、中小企業では人材確保を目的にボーナスを支給する一方で、経営負担が増している状況がうかがえます。
やなぎ税理士事務所